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環境省・環境研究総合推進費の協力研究者として インドネシア・ジャワ島の土壌調査を行いました

2011.9.28 お知らせ

7月17~24日に環境省・環境研究総合推進費「気象変動に配慮したアジア環境先進型流域圏の構築と普及」の協力研究者としてインドネシア・ジャワ島の土壌調査を行いました。

環境省・環境研究総合推進費「気候変動に配慮したアジア環境先進型流域圏の構築と普及」では、水、食糧、エネルギーに焦点をあて、気候変動に配慮しながら改革の方向性やインフラ整備の必要性を示すことによって、アジア環境先進型流域圏の構築のための仕組み作りを提案・普及させることを目的としています。また、当研究では、試験国をインドネシア共和国およびラオス人民民主共和国としています。研究グループは5大学で構成されており、サブテーマは、それぞれ以下のようになっています。

(1) 洪水・渇水リスクおよび窒素負荷量の評価(茨城大学)
(2) 気象条件・品種特性に配慮したイネの広域評価型生育・収量予測モデルの開発(京都大学)
(3) 流域における食糧生産ポテンシャルの評価と品種適応地の把握(千葉大学)
(4) 流域におけるバイオマスエネルギーの需給予測とCO2削減効果(名古屋大学)
(5) 水・食糧・エネルギーに焦点をあてたアジア環境先進型流域圏の提案(東京大学)

当社の丹羽は、千葉大学が担当する「流域における食糧生産ポテンシャルの評価と品種適応地の把握」の協力研究者として、インドネシア共和国、西ジャワ州の調査サイトにおける土壌と水稲収量の関連性について解析・検討を行っています。その一環として、7月17~24日までインドネシア共和国の調査を行いました。

その結果、調査対象区域の水田土壌は、地形に対応して変異することが分かりました。

具体的には、相対的に標高の高い中~緩斜面の棚田にはUltisols(古くて赤色の土壌)が、標高の中庸な緩斜面面の棚田には角礫を下層に持つInceptisols(若い台地土壌)が、標高の低い平坦面の水田にはEntisols(河の氾濫で生成した土壌)が分布していました。いずれの土壌も水稲収穫期の水田を対象として調査したのですが、Entisolsの水田が非常に膨軟であり、他の2土壌の水田に比べて湿田の様相を呈していました。どうやら、土壌別に水稲収量も異なるようで、Inceptisols≧Ultisols>Entisolsの傾向がみられました。今後、さらに検討を進めていきたいと考えています。

調査区域の主要土壌(右からUltisols、Inceptisols、Entisols)