総合科学研究所 所長 (取材当時 アグリ&エナジー推進室 室長 兼務)横堀 潤

アグリ&エナジー推進室の仕事とは?

農業・農村の振興を⽬的に、⽣産⼒向上・環境保全・再⽣可能エネルギー導⼊に関わる仕事をしています。更によりよい「まちづくり」のため、都市・緑化・施設長寿命化・防災減災に関わる計画策定や開発行為などに必要な申請書類の作成をサポートします。プロジェクトの計画、調査・分析から基本設計、維持管理、効果検証と全てのプロセスに携わり、「産・学・官」連携による技術開発・研究も数多く⾏っています。

「経験や勘による農業」から「客観的データに基づく農業」へ

IT農業支援システムの構築

「勘と経験」による農業から「客観的データ」に基づく農業(スマート農業)を支援するためのシステムを構築しています。これにより生産コスト削減、収量・品質の向上、環境負荷の軽減を可能とし、北海道農業の発展を支えています。

具体的には、一枚の畑の中で生じている地力のムラをドローンで詳細に把握し、地点ごとの施肥量を微妙に変えていく、いわゆる可変施肥マップを作成します。

可変施肥

自作したAndroid対応アプリに可変施肥マップをインストールし、そのアプリと施肥機(肥料を散布する機械)がリアルタイムで通信することで、地点ごとに異なった量の化学肥料を自動的に散布します。

効果

右の図は北海道で生産されているてんさい(お砂糖の原料)を対象に農家慣行区と可変施肥区の窒素施肥量と収量(糖量)を比較した図です。可変施肥区では農家慣行区に比べ、肥料の削減と同時に収量の増加が認められています。

この仕事のやりがいは?

自分が作成した情報は営農者の収支に直結するため、非常に責任を感じ、毎年春にはこれで本当にいいのか不安になります。
しかし、収穫時に増収や品質の向上が図られた際は営農者以上(?)に安心し、一番やりがいを感じます。

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